世界初の全自動衣類折りたたみ機開発の阪根社長

「嫌われることを気にしていたら、リーダーは務まらない」

2017.03.11 SAT

会社では学べない!ビジネスマン処世術 > “嫌われ役”のリーダー論

(撮影=岸田五月)
会社や組織を率いるリーダーには、目的を実現するために“嫌われ役”を引き受けなければならない時もある。各界で活躍する突破者たちは、どのような思いで困難を乗り越えてきたのだろうか。世界初の全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」を開発した、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ代表取締役社長の阪根信一氏に話を聞いた。

■反対意見からイノベーションが生まれる


「当社は、世の中にないものを作り出す技術集団です。世の中にないモノ、人々の生活を豊かにするモノ、技術的なハードルが高いモノという3点をクリアするテーマで事業を行っています」

同社が取り扱うフルオーダーメードの「カーボンゴルフシャフト」、睡眠中に鼻に挿入し、気道の閉塞や睡眠中の覚醒を防ぐデバイス「ナステント」、そして画像解析技術やAI(人工知能)などを駆使した「ランドロイド」という3つの製品すべてにおいて、開発までは社員からの「反対意見しかなかった」という。だが、阪根社長は人が反対する事業こそイノベーションであると考えたそうだ。


気道の閉塞、寝苦しさを予防する「ナステント」
ランドロイドの開発を始めたのはグループ会社であった株式会社I.S.TでCEOを務めていた2005年。当時は現在ほどAIやロボティクスの技術が進んでおらず、社員からは「できるわけがない」「売れるはずがない」「また社長がおかしいことを言いだした」と思われていたという。

「最初は『5年頑張ればできる』と言い続けていましたが、それでも反対が続くときには一蹴していました。しかし、2010年になってもマシンの中にランダムに入れられた衣類を認識する技術ができておらず、会社を去っていく社員もいるような状態。風向きが変わったのは、2005年当初から携わっていた社員のアイデアで一番難しかった技術のブレイクスルーが起こった2012年くらい。それからは社員もできると思い始めたようです」

信頼があるなら、周囲からどう思われるかは気にしないという阪根社長だが、反対する社員には“説得”をするという。

「“実現できない”と反対する社員には、私が『実現できる』と思う根拠を説明し続けます。例えばランドロイドなら、画像解析と人工知能とロボットアームがあれば可能だということを話しました。それを言い続けると、最初は無理矢理でもみんな納得し始めます。目的に向かって社員をリードしていく立場なので、言いたくないことを言う時もありますが、嫌われることを気にしていたら務まりません」

投資家からも、時には革新的な事業を手がける経営について「攻めすぎるな」と指摘を受けることがあるそうだが、そこでも事業の価値を説明し、説得する。その結果、大きな投資を受けられたこともあるという。

■食器洗い乾燥機のように、スタンダードになる日が来る!

また、奇抜な製品について、一般の人からの批判を受けることもあるというが、商品を出すことで理解されるものは、聞いても気にしないようにしているという。

「ナステントは“鼻の穴に自分でチューブを入れて寝る人がいるわけはない”などという理由から、みんなに売れるはずがないと言われましたが、完成して使用する人が出てくると常識に変わっていきました。ランドロイドも同じで、不要と思われていた食器洗い乾燥機が定着したように、スタンダードになる日が来ると思っています」

(飯田樹)


阪根信一(さかね・しんいち) セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ代表取締役社長。理学博士。米国デラウエア大学化学・生物化学課、博士課程修了(Ph.D.)。株式会社 I.S.T取締役本部長、専務取締役、CEOを経て、2008年にセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社の前身となるスーパーレジン工業株式会社社長に。2014年よりセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 代表取締役社長

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