目指すは倒産件数<新規会社設立数!?

資本金の心配がなくなる?1円起業が恒久化へ

2004.07.15 THU

新事業創出促進法が一部改正され「株式会社、有限会社の最低資本金等の規制に関する特例」が施行されたのは昨年2月1日。これにより、株式会社は1000万円、有限会社は300万円という最低資本金以下、つまり1円でも会社をつくれるようになった(註1)。アイデアはある、起業意欲もある、だが肝心の資金がない…という人にとっては、まさに渡りに舟。たった1年で、制度を利用した起業は約1万件にものぼった。

しかし、この特例には「5年以内に本来必要となる資本金を用意できなければ、合名会社または合資会社に組織変更するか、最悪の場合は解散しなければならない」という時限措置がある。つまり、1円で株式会社をつくったら、5年以内に999万9999円のお金を貯金しなければ、せっかくつくった会社が消滅してしまうのだ。

ところが、この最低資本金の完全撤廃を打ち出した法案が、来年の通常国会に提出される見通しとなった。起業家にとって増資の心配がなくなるのは朗報だ。『あなたにもできる会社設立の本』(フォレスト出版)の著者である福山ゆみこ氏は、制度改革の背景をこう解説する。

「新規で設立される会社が増えれば、国は登記料や税収の増加が期待できますし、予想を上回る確認会社(註2)登録数に潜在的な起業予備軍の姿を見たのでは」

96~99年に全国で74万2121件の事業所、企業が新設されたが、同時期に廃業した数は106万709件(総務省発表)。約32万件もの会社が減っており、国もさすがに危機感を感じたということか。

「ただ、いつでも誰でも1円起業となると、資本金による会社の信用力が低下してしまいます。株式会社というブランド力がなくなる以上、何で勝負するのか、どこで相手を判断するか、その見極めが重要になるのではないでしょうか」(福山さん)

1円起業の恒久化がベンチャー企業の育成、さらに日本経済の活性化につながることを大いに期待したい。  

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