おかげで日本企業も最高益が続々

日本経済をも過熱させる中国の2大イベント

2004.07.22 THU

1990年代、急激な経済成長を遂げた中国。95年以降の平均経済成長率は8%を超えるとされ「奇跡」といわれた60年代の日本の高度成長に匹敵する数字を記録している。北京や上海などの大都市では高層ビルが林立、おしゃれな若者たちがブランド街を歩く姿が当たり前のように見られる。10年前には、とても考えられなかった光景だ。

そんな元気な中国経済が、不況に苦しんできた隣国・日本に好影響を与えているのはいうまでもない。今回の景気回復にも、中国での需要拡大は大きな役割を果たした。だが、注目してほしいのは、中国で躍進したのが、ちょっと意外な業界だということ。鉄鋼や建設機械、海運など、日本ではあまり元気のなかった業界なのだ。

背景にあるのが、建設ラッシュだ。この夏、日本ではアテネオリンピックで大いに盛り上がることが予想されるが、中国が盛り上がっているのはアテネの先。2008年の北京オリンピックなのである。今や中国のあちこちで、オリンピックに向けた工事が急ピッチで進んでいるのだ。スポーツの祭典であると同時に、自国の発展を世界にアピールする絶好の機会。工期を早めるためにも、日本の鉄鋼など高品質な素材や建設機械が活躍しているというわけだ。

一方、経済発展では首都の北京を上回るといわれる上海では、2010年の万国博覧会が控える。こちらも準備が大急ぎで進行中。この2つのイベントが「神風」となり、日本の鉄鋼メーカーや建設機械メーカーに史上最高益をもたらしたのである。

さて、鉄鋼や機械は理解できた。でもなぜ、建設ラッシュで海運業界なのか。答えは単純である。鉄鋼などの素材は、飛行機では重くて運べない。船で運ぶしかないのだ。そして高まる海運需要に船まで足りなくなり、長年苦しんできた造船業界も好況を迎えるに至った。21世紀の海運、造船業界の空前の好況を誰が予想し得ただろうか。経済を読むのは、そして業界の将来性を読むのは、本当に難しい。

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