人工衛星のご注文は東大阪へ

テレビCMでも話題に「東大阪発まいど1号」って?

2004.08.19 THU

「まいど、まいど1号。不景気なんか吹っ飛んでまうわ」。こんな(社)公共広告機構(AC)のテレビCMをご存じ? 威勢のいい関西弁の主は、米ボーイング社認定の航空部品メーカー、(株)アオキの青木豊彦社長(57歳)。東大阪という中小企業密集地域に根を下ろす、いわば町工場の“おっちゃん”だ。

CMでは、“町工場の技術を結集して東大阪発の人工衛星を作る”という熱いプロジェクトを、元気のない日本への応援歌として紹介しているわけだが、本来なら数百億円の費用と長い年数がかかる大事業のはず。社長、ホントにできるんですか!? 
「航空宇宙を東大阪の地場産業にしたいんですわ。2005年度の打ち上げ目指して、産・学・官が協力して皆でがんばっとります!」(青木氏)。

ことの経緯はこうだ。長引く不況、職人の高年齢化、若者の地元離れによる後継者不足…。危機感をつのらせた商工会議所の働きかけで立ち上がったのが青木氏。「よっしゃ。ほんなら何かでっかいもんやろか」とロケットの打ち上げを構想した。しかし、相談を受けた大阪府立大学航空宇宙工学科の東久雄教授は「ロケット開発は中小企業では無理。しかし小型衛星なら」と提案。トップレベルの技能を持つ職人が集まる東大阪なら、かなりのコストダウンも可能だろうという読みもあった。やがて、大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力も得て、プロジェクトは本格的にスタート。02年には東大阪宇宙開発協同組合(SOHLA)が設立され、今年度からは国から研究委託費も下りている。

ACには「協会に寄付をするにはどうすればよいか」「青木社長に講演を依頼したい」などの反響が寄せられているという。また、“なんかおもろいことやってるらしいで”と、東大阪に戻ってくる中小企業オーナーの息子たちも。

メイドイン東大阪の人工衛星。“おっちゃん”たちのでっかい夢を乗せて、宇宙に打ち上げられる日は近い。

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