竹中経済財政・金融相のシナリオどおり?

三菱東京←UFJ→三井住友大銀行が統合へ向かう理由

2004.08.19 THU

三井住友フィナンシャルグループ(FG)が割って入り、前代未聞の金融再編劇となったUFJホールディングス(HD)と三菱東京FGの経営統合問題。UFJ、三菱東京ともに、東京地裁が認めたUFJ信託銀行の住友信託銀行への売却交渉継続問題を切り離してでも本体統合を進めたいようだ。

UFJには一刻の猶予もない。来年4月にはペイオフ(破たん金融機関からの預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)の全面凍結解除が迫っており、1兆5000億円もの公的資金援助を受けながらも経営不振の大口融資先を多く抱え、不良債権比率が約8・5%と他行よりも3%以上も高い状態では、ペイオフ凍結解除前に預金者が一斉に逃げ出しかねない。いまのうちによい“嫁ぎ先”を決めておかねば、経営破たん=国有化が現実のものとなってくる。

経営統合が実現すれば、かつては13行もあった都銀は、みずほFG、三井住友FG、三菱東京&UFJの3大メガバンクに集約される。そもそも日本では資金需要に対して銀行が多すぎるオーバーバンキングの状態が長く続いてきたが、「メガバンクは2つか3つでよい」という竹中氏と金融庁の強力な行政指導で、ここまで集約が進んだといえる。さらに、8月1日には、金融機関に合併を促す「金融機能強化法(公的資金新法)」が施行され、金融再編は都市銀行から地方銀行へと移行しつつある。

そもそも銀行業務は、預金を集め、それを元手に融資して利ざやを得る。ビジネスモデルとしてはきわめて単純で、それだけ規模のメリットが得やすい。「預貸金利ざや」は欧米の主力行は3~6%ほどだが、邦銀大手は1・7%程度しかなく、これが再編の“起爆剤”になっている。

今後もさらなる銀行統合が続くようだが、預金者は不良債権処理策をはじめ、銀行のコンプライアンス(法令遵守)など、さまざまな角度でその動向をチェックしていく必要があるだろう。

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