「0120」に電話したら、そこは中国だった

コールセンターの海外移転はサラリーマンの危機を暗示?

2004.08.26 THU

家電製品などのモノを買って不明点などがある場合、問い合わせ電話を利用する。ところが、かける番号は普通のフリーダイヤル「0120」なのに、電話がつながっている先はなんと中国、というケースがある。人件費の安い中国で電話対応しているのだ。

近年では、顧客からの問い合わせを外注する企業が増えている。コールセンター運営を専門に手がける企業がまるごと受託するのだ。いわゆるアウトソーシングだが、受託企業は少しでも利益がほしい。そこで、コストダウンに知恵を絞る。1990年代後半には、コールセンターは沖縄や秋田に相次いで移転した。人件費が安いからだ。そしてさらなるコストダウンを求めて、いよいよ海を越えてしまったのである。

今、中国で日本語コールセンターの一大拠点になっているのが大連だ。問い合わせ電話を受けるスタッフには日本人もいる。現地の物価が安いため、300円に満たない時給でもそれなりの生活ができるのだそうだが、大半の電話オペレーターはもちろん中国人。日本語がペラペラなのである。こうした若者が毎年、数千人も大学を卒業してくる。ある外資系トップは「採用にはまったく困らない。会議も日本語だし、日本国内に出張に行く感覚だ」と語っていた。

そもそも先進的なグローバル企業では、経営に必要な資源は、世界で一番安くて良いものを調達するのが当たり前になっている。人材も、だ。IT化がそれをさらに加速させた。情報システム部門はインドに、給与計算などの人事管理や経理部門はチェコに、研究開発部門は上海に…。安い人件費で同じ仕事ができるなら、何も本社のある国でやる必要はないのである。

国際競争を戦う日本企業は、業務をどんどん世界にアウトソーシングせざるを得なくなるだろう。言葉を換えれば、海外に移転できてしまうような仕事をしていては、会社員も生き残れない時代になったということ。会社が安定していても、景気が戻っても、油断は大敵なのである。

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