1000万人雇用創出してもまだ足りない?

急速に豊かになる一方で中国には失業者が溢れている?

2004.08.26 THU

日本の優勝に終わったサッカーアジアカップだが、熱戦の一方で、日本チームへのブーイングが問題になったことは記憶に新しい。もともと対日感情が悪かった、日本チームの強さが反発を呼んだなど、背景にはさまざまな理由があるとされていたが、その中に「失業問題から人々が苛立っている」という指摘があったのをご存じだっただろうか。

ここ数年、中国は急激な経済成長を続けている。7月16日には、中国国家統計局が04年4月~6月のGDP実質成長率を発表したが、前年同期比9.6%を記録。都市部では高層ビルが林立し、高級ブランドショップも賑わう。経済好調の国でなぜ、失業問題なのか。

中国国務院が発表した「中国の就職状況と労働白書」によれば、03年の中国の労働人口は7億4432万人で、そのうち農村が65.6%を占める。一方、農村から都市部への出稼ぎ労働者は毎年500万人を超える勢いで移動しているという。

沿海部を中心とした都市部が急速に豊かになったのに対し、内陸の農村部は発展が遅れていた。となれば、豊かさを求めて農村から都市へと人が流れるのは当然。ところが、国有企業の構造改革でリストラが進展しており、都市部の失業者は増えていた。そこに農村からの流入が加わり、都市部では800万人が失業登録しているという。中国政府は都市部の失業率を4.7%程度に食い止めたいとしているが、この数字、実は不況さめやらぬ日本の失業率とたいして変わらないのである。若者の就職も新卒大学生の就職も、実は非常に厳しいのだ。

中国の都市部で新規に仕事を求める人は数年後、年間約2400万人に達するといわれる。経済成長が7%を維持できれば、年間1000万人の雇用が創出されることになるそうだが、それでも1400万人分足りない。中国政府は、民間の雇用創出が進む政策を推し進めていく計画だ。それにしてもさすがは中国。失業問題も、なんともスケールが大きいのである。

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