将来の増税の伏線ともいわれるが…

4月からの消費税総額表示で泣いたところ、笑ったところ

2004.09.09 THU

国内のあらゆる商品やサービスの価格が、4月から消費税込みの総額で表示されるようになっている。昨年3月に成立した改正消費税法で義務づけが決まったためだが、スーパーなどの小売業者は大変だったらしい。何しろ、店内にあるすべての価格を付け替えなければならないのだ。レジシステムの変更にも巨額のコストがかかったという。

これだけでも相当な恨み節が聞こえていたのだが、総額表示以降、実は最も懸念していた事態が起きている。表示方法を変えたことで、消費者が値上げ感や割高な印象を持ってしまったのだ。日本チェーンストア協会が発表した4月のスーパーの売上高は、前年同月比4.4%減。一人あたり購入点数が減り、客単価もダウン。総額表示の影響は明白だ。大きなダメージを被ったのが、99円ショップや100円ショップ。総額表示が義務づけられると104円ショップ、105円ショップとなり、なんとも中途半端。なかには100円ショップの看板を外してしまった店もあるという。

小売業界では、98円や980円といった「98」数字は、お買い得感を演出する戦略的な設定数値。これができなくなったのは痛い。そこで今起きているのが納入業者へのプレッシャーだ。消費税5%分を上乗せしても「98」数字が付けられるよう、さらにコストを下げて商品開発をしてくれ、という要望である。また、納入業者に消費税分の負担を押しつける小売業者も現れ、公正取引委員会から注意を受けた。逆に、消費税分を小売り側で負担、価格を据え置く実質値下げを断行した企業は好調。消費者というのは実にゲンキンなものである。

さて、この総額表示、将来の増税の伏線説がよく語られる。総額表示は消費者に親切、というのが国の言い分だが、消費税導入から15年も経過した今、その理由に説得力はない。むしろ総額表示で重要なのは、いくら消費税を払っているかがわかりにくくなくなる点だ。今後はこれまで以上に税額に敏感になるべきだろう。

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