日本初の利益1兆円企業

強いトヨタを支える「かんばん方式」って何だ?

2004.10.07 THU

2003年度決算では、純利益が日本で初めて1兆円を超えたトヨタ自動車。最近では、証券事業や住宅事業など、他事業も好調だ。

さて、そんな強いトヨタが語られるとき、よく使われる言葉に「かんばん方式」がある。なんとなくわかるようなわからないようなこの言葉の中身、ご存じだろうか。

そもそもトヨタを語るとき、欠かせない視点がムダの排除である。トヨタの利益がすごいのは、何よりムダに車を作っていないからだ。大量生産はコスト削減の手法のひとつだが、作った車が余ってしまえば、叩き売りになりかねない。当然、利益を圧迫する。利益のために重要なことは、作り過ぎを防ぐことなのである。かんばん方式とは、それを可能にする手法なのだ。

一般的に製造業では、計画を立てて生産を進める。それが利益を大きく左右する。だが、必ずしも計画通りにいかないのが世の中。でも「もう部品を買っているので作るしかない」となりがちだ。ところが、トヨタは違う。生産量の微調整が現場で行われるのだ。ここにかんばんの出番がある。

自動車の製造工程を上流から、消費者に近い下流までイメージしてみよう。下流の工程に必要な部品や中間製品は当然、前の工程で作られる。だが、前の工程から次の工程へと勝手に流れていくのではない。なんと次の工程は前の工程に、必要な部品や中間製品を取りに行くのだ。前の工程は、そのまた前の工程に必要な部品を取りに行く。つまり、部品や中間製品は勝手に製造されて下流に流れるのではなく、後工程のニーズ、つまり市場ニーズに基づいて量が調整され、調達、製造されていくのである。

ここで動くのが、品名や数量などを書いたかんばんだ。部品が後工程によって持って行かれる際に動くかんばんで、その工程では後工程のために何をどのくらい生産すればいいのか、誰でもわかる仕組みになっている。必要なものを必要なときに必要なだけ作る。それを可能にしたすごい仕組みが「かんばん方式」なのである。

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