強い大学だけが生き残る

2007年に「全入時代」到来?深刻化する私大の経営事情

2004.10.07 THU

大学経営がいよいよ厳しさを増してきた。少子化の影響で18歳人口は92年の205万人をピークに減少の一途。今年7月には、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会が、当初の予想より2年も早い07年に「全入時代」がやってくる、との試算を発表。受験生にとっては一部の難関大学を除けば超買い手市場の到来だが、大学側からみれば非常に深刻な事態である。

独立行政法人化しても国立大学は安泰。厳しいのは私立大学だ。立命館大学など、次代の教育ニーズを先取りする私大がある一方、経営にアップアップの大学が続出している。日本私学学校振興・共済事業団によると、私大533校のうちで過去最悪の155校が定員割れ。しかも、同事業団の別の調査によれば、総収入(授業料など)を支出が上回り、「赤字」に陥った大学がやはり125校にのぼることが判明した。

実は優良大学でも決算が赤字のところは少なくない。というのも、大学は企業と違って財団法人のような決算方式をとっており、毎年受け取った収入から新たな設備にかかるお金(例えば新学部設置にかかる新校舎の建設費)を差し引いて積み立てを行い、そこから人件費など大学の運営にかかる費用を計上する、という特殊な形を取るからだ。それゆえ、大きな設備投資があれば優良大学でも赤字になりやすいのだが、一過性なのでさほど深刻ではない。ここでいう「赤字」とは、この積み立て金を含んでのもの。しかも、大半の私立大学が収入の10%以上を補助金に頼っているにもかかわらず、「赤字」になってしまうのだ。

文部科学省は、こうした「倒産予備軍」の大学名を公開しない。俗に、入学者が定員を20%下回る事態が2年続けば大学経営には赤信号ともいわれるが、そういう大学ほど定員割れを必死に隠す。今や、本当に強い大学は偏差値ではなく「人材創出力」で量る時代といえよう。「最高学府」の淘汰はすでに始まっているのである。

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