11月1日より3種の新紙幣が発行

新しい紙幣がもたらす経済効果はいかほど?

2004.10.21 THU

某オークションに謎の出品がされたことですでに話題の新紙幣が、11月1日から市場に流通しはじめる。2000円札を除く1000円、5000円、1万円の3種類の紙幣を新しいものにし、偽造防止と景気刺激をはかるのだという。84年から数えてちょうど20年目にあたる刷新だ。

偽造防止は、近年の印刷機器の性能アップにより、精密な偽札が出回るようになったことに対抗するため。そもそも日本の紙幣製造技術は世界でもトップクラスなのだが、それでも一定の期間ごとに新しい札を投入しないと、偽造防止は困難だという。

「基本デザイン流用の1万円でも、ホログラムやすき入れバーパターン、潜像模様、マイクロ文字、深凹版印刷など、最新技術を投入しています。インキも、パールインキや紫外線で光る特殊発光インキといった、偽造しにくいものを使用しています」(日本銀行金融研究所・茶圓さん)とのこと。

では景気を刺激するという目的の方はどうか。新券の発行を決めた当時の塩川財務大臣は「新しいお札で世の中が明るくなればいい」と飄々と語っていたが、実際あれだけ地味だった2000円札の投入後でさえ約1兆円の経済効果があったという試算もある。単純計算でその3倍以上の効果が見込まれることになるのだが…。
「直接的にはATMや自販機メーカーなどを中心に、一部業種で増収になることは確実。ただ、一方で金融や交通機関など、その発注側は支出が増える。単純に収支だけでいえば、プラスマイナスゼロじゃないんですかね。もちろん、市場の活性化を促す大きな心理要因にはなるでしょうけど」(某金融機関関係者)という声もある。ATMの場合、ソフトやセンサーの交換などで、1台30万円前後の改修費が必要になるのだという。あるシンクタンクでは5050億円程度の経済効果に終わるのではないかという予測を発表している。

記念すべき新札1号券は、日本銀行貨幣博物館に収納される予定だ。

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