なぜあれほどダイエー処理にこだわったか

ダイエー産業再生機構入りと金融不安解消の密接な関係

2004.11.18 THU

自力での経営再建を目指していたダイエーは結局、産業再生機構入りが決まった。だが、やり方がなんとも強引だったのでは、という印象を持つ人も少なくないだろう。

主力取引銀行である、UFJ、三井住友、みずほコーポレートの大手3行は、ダイエーを深夜まで説得。拒むなら自主再建の前提となる債権放棄などの金融支援はしないと通告したといわれる。なぜこれほどまで厳しかったのか。そして、なぜこれほどまでに処理が急がれたのか。背景にはちゃんと理由がある。それが、実は「銀行の不良債権問題」なのだ。

02年10月、小泉政権の最重要課題・不良債権処理を進めるために竹中前金融担当大臣は「金融再生プログラム」をまとめた。そこでは大手行の不良債権比率を05年3月期までに半減することを決めていた。実際、8%以上あった大手行の不良債権比率は、04年3月期には5.2%にまで減り、目標まであと一歩のところまで来ていた。そこで目標達成に向け、残っていた不良債権処理の「本丸」、ダイエーに切り込んだのだ。

57年創業のダイエーは、積極的な出店や買収などで急成長し、72年に三越を抜いて小売業日本一に。その後、巨大なサービス産業グループを形成したが、その過程で一時は2兆円を超える有利子負債を抱え、バブル崩壊後、経営悪化とともに負債が重くのしかかった。リストラを進めたものの借金はまだ1兆円程度残っており、経営状況からそれが「不良債権」と認定されていた。

取引銀行にすれば、ダイエーが産業再生機構入りを決めれば、再建に国のお墨付きを得られたということでダイエー向け融資が正常債権として扱われるようになるため、不良債権から切り離せる。竹中前金融担当大臣が描いた05年3月期の目標数値に到達することもできる。だから処理は急がれたのだ。そしてダイエーの処理、それはバブル後、日本を苦しめてきた不良債権問題の終焉と大手行の金融不安の完全解消が近いことを意味するのである。

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