多いのって、いいこと? 悪いこと?

日本の外貨準備残高90兆円が意味すること

2004.12.09 THU

「円高・円安」という為替相場は、海外旅行をする時以外は“他人事”のように思うかもしれない。でも輸出立国である日本にとって、為替変動は死活問題。それこそ大企業ともなれば、1円の値動きが、ン十億円単位の利益になったり、損失になったりする。だから企業側も海外生産を積極的に行ったり、為替予約(あらかじめ為替レートを市場で決めること)を行ったりして、なんとか為替変動リスクを抑えようと努力している。

円高と円安、どちらがイイのか?輸出立国というくらいだから、円安のほうがありがたいのだろうと思ってしまう。しかし、そんな簡単な話でもない。なぜなら、日本は輸入大国でもあるのだ。クリスマス前に輸入品、と耳にすると高級ブランド品が思い浮かんでしまうが、食料品や雑貨、輸出製品を作るための原材料も含まれる。だから購買力が弱まる円安も決して好ましいワケではない。とはいえ変動相場である限り、円高か円安方向のいずれかに向かうことは避けられない。問題視されるのは、マネーゲーム的要素を含む急激な為替相場の変動。あまりに急激な場合、日銀による“介入”が行われる。これは政府が「行き過ぎた為替相場の変動は何としても食い止めるぞ!」というメッセージを市場に向けて発すること。今までの介入を見ると、円高を食い止めるための円売りばかり。

結果、日本は8378億7800万米ドル(約90兆円)の外貨準備残高を抱えることになった。“準備残高”と聞こえこそイイが、実際はそれだけ負債を抱えていることを意味する。外貨を取得する原資は、短期国債の一種である政府短期証券を発行し、市場から借金しているのだ。それにしても、なぜここまで残高を膨らませたのか?

手にした米ドルで、高い金利が付く米国債を購入。調達コスト(政府短期証券発行)を考えれば、運用益(主に国債の利息)で収益面“プラス”になることを目論んでいるからだ。米国債の買い支えとの批判もあるが、上手く運用して欲しい。

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