高さ50cmの無人島が日本を左右する

日本最南端の沖ノ鳥島、「島」か「岩」か、はたしてどっち?

2005.01.20 THU

日本最南端に位置する沖ノ鳥島は、太平洋に浮かぶ高さ50cm程度の無人島だ。日本政府はこの島を工事費600億円、年間維持費2億円をかけて侵食から保護している。というのも、この沖ノ鳥島が「島」かどうかは、日本にとって死活問題だからだ。

日本は、沖ノ鳥島を中心に40万kmのEEZ(排他的経済水域)を設定している。EEZとは、沿岸から200海里(約370km)内の水域で、沿岸国は漁業や鉱物資源の探査・開発の権利を持つ。日本の国土面積は世界59位だが、領海(海岸から12海里の海域)とEEZとを合わせた総面積では世界6位となる。国土の狭い日本にとって、沖ノ鳥島は、海洋資源の面でも領土問題の面でも極めて重要な地点なのだ。

さて、日中間では相手国のEEZで調査活動をする際は事前に通報することで合意しているが、中国船が沖ノ鳥島周辺を無断で航行・調査する事件が昨年から急増している。日本側の抗議に対し中国側は、国際連合条約の「経済生活を維持できない岩はEEZを有しない」という条項を挙げて、「沖ノ鳥島は島ではなく岩だ」と主張。日本はこれまで同条約の「島とは満潮時も水面上にある陸地」と定めた条項に基づき、沖ノ鳥島周辺にEEZを設定し、国際社会もこれを認めてきた。

中国による無断航行が増えた理由については、海洋資源の確保、軍事作戦の一環としての地形調査といったことが指摘されているが、真相はまだ明らかではない。こうした中国側の動向に対して、日本では、昨年10月、自民党に海洋権益特別委員会が設けられ、中国への厳しい対応などを検討している。12月には石原都知事が「島周辺で漁業をして経済水域であることを実証する」と発表。さらに本年度予算案には、昨年度の3倍に当たる130億円の海洋資源の調査費と、高性能の探査船の建造費101億円が盛り込まれた。“海洋国家”日本――海の庭を守り、眠る宝を掘り当てられるか。

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