加盟国は増えても課題は山積み

アメリカに追い付け・追い越せ!?EUはどこまで拡大するのか

2005.02.03 THU

ヨーロッパの国々が頬寄せ合って仲良く集まる欧州連合(EU)。その目的は、政治・外交面では「戦争回避」、経済面では「平和維持にはゼニありき」の2点に集約される。こうした目的に向けて、EU加盟国は、EU内での関税廃止や共通通貨であるユーロを導入するなどして、欧州市場の安定化を図ってきた。

当初は12カ国だった加盟国は、2004年5月に、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マルタ、キプロスの10カ国を加え25カ国体制となった。これにより総人口約4億5000万、域内GDP約9兆5990億ユーロ(約1267兆円)と、一大政治・経済圏に成長。また、昨年6月に採択されたEU憲法では欧州大統領と欧州外相を新設するなど、従来の経済協力だけではなく、安全保障や外交など、政治面での結束をより強化している。

しかしこうしたEU拡大は、同時に多くの宿題を積み上げている。大国であるフランス・ドイツとイギリスでは、不協和音が絶えない。イギリスはユーロも導入していないなど、EUの体制に対する根本的な齟齬も見え隠れしている。

さらに現在、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア、トルコが加盟を表明、ルーマニア、ブルガリアは2007年の加盟が見込まれており、クロアチアは4月から、トルコは10月から加盟交渉が開始される見通しだが、トルコについてはEU初のイスラム国家であり、反対論も根強く残っている。他にも新加盟国と旧加盟国との経済格差の解決など、EU加盟国が足並みを揃えるまでには時間とコストがかかりそうだ。

今後10年間で30~35カ国にまで増えるとされるEU。重要議題は全会一致で可決されるため、国数が増えた分だけ「喧嘩のタネ」が増えるのは当然のこと。国同士の軋轢を乗り越えて、アメリカの対抗勢力となりえるか、世界の関心がいま集まっている。

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