労働組合員数はすでに2割以下

定昇、ベアはもはや死語?「春闘」って何を闘っているの?

2005.02.17 THU

春といえば人事異動の季節。その前に「給料を上げろーっ!」と、ぼくらの仲間が叫んでいることを知っているだろうか。それが「春闘(春季生活闘争)」で、労働組合が2月下旬~4月頃に賃上げや労働時間の短縮など、経営陣に対し労使条件の改善を訴える恒例行事だ。

さて、春闘のメインイベントは、定期昇給(定昇)とベースアップ(ベア)の要求だ。定昇とは毎年、年齢や勤務年数に応じて賃金水準を引き上げること、ベアとは定昇分以外の賃金水準を物価上昇などに合わせて引き上げることを指す。

主義・思想を同じくする「労働団体」で集まり、自動車や電機など産業単位別に分けられ、その下に各社組合がある。労働団体の最大は民主党員の多い「連合」で、全体の6割以上。ところが、厚生労働省の調査によれば推定組織率(労働組合員数÷雇用者数)は減少し続け、現在は2割以下。

かつては産業別の方針により「統一ベア」をしていた。なかでも自動車産業は春闘の相場などと言われていたものだ。

しかし、バブル崩壊後は不景気やデフレなどによりベアはゼロ回答ばかり。さらに相次ぐリストラで定昇の基礎となる終身雇用神話は崩壊し、年俸制や成果主義制度の導入など、給与体系は企業間格差が大きくなってしまった。加えて、企業の利益はベアに回さずに、ボーナスや一時金などへ「成果配分」する方法も急増。そうした背景から、組合は統一ベア要求を見送る傾向が年々強くなり、春闘=定昇&ベア要求という構図は形骸化、争点は雇用制度や待遇改善へシフトしつつある。

竹中財務大臣は「もはやバブル後ではない」と国会の経済演説でデフレ克服を表明。業績回復を盾に「今年こそ強気の春闘を!」とは言うものの、大半の組合は賃金カーブ維持(定期昇給相当分の確保)がせいぜいの様子。大逆転はあり得るか。「勝負」の行末に注目したい。

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