京都議定書発効で注目

新たなビジネスチャンス?「排出権取引」の仕組み

2005.03.24 THU

京都議定書が2月に発効して以来“排出権取引”なる耳慣れない単語がよく聞かれるようになった。排出量取引、排出枠取引とも呼ばれるが、すべて同じ意味。簡単にいえば、温室効果ガスを目標通り削減できなかった国が、削減できた国などから余剰分を買い取ることができるというシステムだ。

たとえば日本は08~12年の5年間で90年比6%の排出削減義務を負うが、03年時点でも温室効果ガス排出量は90年比8%も増加していて、少なくとも合計14%の削減が必要となる。早くから省エネ対策に力を入れてきたのにこの状態では、自国内で目標を達成するのは難しい…。そこで登場するのが排出権取引。日本では1トンあたり約2万円かかる温室効果ガスの削減コストが、途上国なら数百円で達成できる場合もあり、この差額が排出権の価格となるのだ。

これは先進国だけに都合のいい仕組みというわけではない。途上国での削減プログラムは現地での雇用を生み、さらに地球環境全体に対して、より負荷の少ない開発を促すことも期待される。

取引は、具体的には国同士というより企業間でのやりとりが中心となる。排出枠を生み出すためのプロジェクトを商社などが手がけ、それを大規模メーカーなどが買う。これはまさにビジネスチャンスなのだ。実際、アメリカを含めた各国で次々に国内向け取引市場ができつつある。日本でも05年度内には市場が創設される予定だ。

「いずれ全世界的な市場が形成された時を想定して、各国の企業が活発に削減プロジェクトを運営したり、技術開発に投資したりしています。二酸化炭素だけでなく、メタンや代替フロンなど、より温暖化ポテンシャルの高い物質を効率よく削減しようとする試みなども注目されています」(みずほ情報総研・環境戦略ソリューション室)

将来的には、20兆円規模の市場になる、との試算を発表した機関もある。利益を追求しつつ、ちゃんと地球温暖化防止にも役立てば一石二鳥なのだが…。

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