iPodは新潟でピカピカになっていた!

磨き技術の粋を集めた「磨き屋シンジケート」とは!?

2005.03.31 THU

世界中で人気の携帯音楽プレイヤー、iPod。ピカピカに光る筐体はデザインの売りのひとつだ。でも、これを光らせているのは高度な技術を持つ日本の職人たちだということを知っていますか? iPodの鏡面加工をおもに引き受けているのは新潟・燕市の「磨き屋シンジケート」。磨いているのは、そこに所属する研磨職人たちなのだ。

「燕市は古くから金属研磨が盛んでした。しかし最近は受注額の安い中国などに仕事を奪われ、ここ10年の成約は1000件から600件に、売り上げは100億から40億まで下落。それこそ壊滅的な大打撃を受けたんです。そこで立ち上がったのが商工会議所と燕市の研磨工業会。市場での競争力を再び強化するために、これまで個々に仕事をこなしていた中小企業とそこに属する職人たちをまとめました」(燕商工会議所・高野雅哉氏)。

これによって、今まで分散していた“磨き”技術のノウハウが結集。粉塵爆発の危険性があるため、難度が高いとされていたマグネシウム合金の研磨技術も開発し(詳細は企業秘密)、そのうえで結成されたのが「磨き屋シンジケート」だ。ちなみにシンジケートとは企業連合の意で、現在は約40社が加盟。理容ハサミから半導体機器、車のマフラー、巨大な工業用タンクまで、職人それぞれが得意とする“必殺磨きテク”を持つ。

この共同受注体制により、全体の成約件数は飛躍的に伸びた。また、作業効率や技術水準が向上した結果、納期も短縮されたという。しかし、高度な技術を要する職人技だからこそ、深刻なのは後継者問題。

「現在、2年ほどかけて職人を養成する機関の設立を計画中。将来的にはインキュベーション(孵化器=創業支援する場所)も行えればと考えています」(高野氏)。

どんな金属も磨かなければ光らない。アップル社お墨付きの技術を誇りに、磨き屋シンジケートの職人たちは今日もせっせと磨き続けるのであった。

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