まさに“IT技術”で売り上げ増!

日本の流通が変わる?「ICタグ」の使い方最前線

2005.04.14 THU

昨秋、日本橋界隈でショッピングを楽しむ女性の間では、ちょっとした話題になっていた。日本橋三越本店の婦人靴売場だ。気に入った靴があると、サイズや色を確認したい。通常は販売員を呼ぶと、売り場とバックヤードを何度も往復、時間がかかる。ところが昨秋、サンプル靴を特定の台の上に置くだけでサイズや色がモニター上で確認できる“新兵器”が実証実験で導入されたのだ。「対応が早くなった等、お客さまから好評をいただき、対象商品の期間売上も前年同時期に比べ11%増となりました」(三越本社広報室)。今は実証実験は終了したが、新兵器を可能にしたのが、無線ICタグだ。

小さなものは0.数ミリ平方という超小型のチップは、情報を無線で読み書きでき、紙などあらゆるものに添付したり埋め込める。リーダーが発する電波に反応するので電源不要。三越の婦人靴売場では、靴に貼られたICタグが在庫や色の情報を蓄積、瞬時に最新状況を確認できたのである。

無線ICタグは流通の世界を一変するといわれる。情報を書き込むこともできるので、流通の過程がすべて記録される。どこで誰が何のためにどのように扱ったのか一目瞭然。すでに生鮮品などで活用されているが、買い手は誰が作って誰が運んだのか明確にわかり、安心して購入できる。売り手はリアルタイムな在庫管理、売れ筋を逃さない生産調整、盗難防止などにも使える。無線だから、店舗への入荷商品のチェックに、もう段ボールを開ける必要もないのだ。

消費シーンでは、こんなものが想定されている。買い物かごに商品を入れるだけで金額はもちろんカロリーまで計算してかごに表示。事前に登録した特定のアレルギー対象商品に警告音を発する。試着するシャツに埋め込まれたICが色の相性のいいジャケットや他の売り場にある靴をオススメしてくれる。さらに過去の購入履歴をもとに好みの商品をセレクトし、推奨情報を提供してくれる…。遠い未来の話ではない。おそらく数年後の話である。

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