トイレットペーパー買い占めなくてOK!?

原油相場が史上最高値なのにオイルショックが起きない理由

2005.04.21 THU

ニューヨーク商業取引所の原油先物相場が急騰、1バレル50ドルを突破したのは昨年7月。4月5日にはついに58ドル台に突入し、未曾有の原油高が続いている。だが今回、73年の第1次オイルショック時のようなトイレットペーパー買い占め騒動などは起こっていない。いったいなぜなのだろうか?

その答えは、ウォシュレットが普及したからである! という冗談はさておき、かつてはトイレットペーパー製造の乾燥工程で重油を使用していたが、現在は天然ガスに切り替わったため、もはやトイレットペーパーと原油の因果関係はほぼなくなったのだ(笑)。そもそも30年前は品切れの噂にあわてた主婦がスーパーに殺到したにすぎず、情報チャンネルが増えたいま、その手のパニックは起こりにくいだろう。

閑話休題。とはいえ、原油先物相場が跳ね上がってもうすぐ1年。なぜオイルショックは起こらないのか? その理由は大きく次の2つに集約されそうだ。

1つは、過去2度のオイルショック時よりもはるかに円が強くなったこと。第2次オイルショックの余波を引きずった80~82年当時の円相場は、1ドル約250円。ところが、現在は1ドル約108円と、ドルに対する円の価値が2倍以上になった。これによって、原油の輸入価格は20年前の半分程度に抑えられ、原油先物相場の影響を半減させているのだ。

もう1つの理由としては、エネルギー源の多様化が挙げられる。一次エネルギー供給に占める石油の割合は、過去2度のオイルショック時は70%以上を占めていたが、01年にはついに50%を下回った。つまり、石油依存が緩和され、原油高に対する抵抗力がアップしたというわけだ。

しかし、最近は一時下落したガソリン価格が急上昇の兆しを見せるなど、「静かなるオイルショック」とでもいうべき影響が表れつつある。原油先物相場は世界経済に大きな影響を及ぼすだけに、その動向からは目が離せないところだ。

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