米IBMにアップル、フォードやボルボなども

東証から外国企業がどんどん撤退していくのはなぜ?

2005.05.12 THU

米IBMが5月6日付で、東京証券取引所での上場を廃止するそうだ。なんでもその理由は、「上場にかかる時間および費用を考慮した結果」だという。つまり費用対効果に見合わないと判断されたのだ。東証に上場する外国企業は91年の127社をピークに減少し続け、昨年はアップルやP&Gなども上場を廃止。今回IBMが撤退し、その数は29社と大幅ダウンした。外国の企業がこぞって日本の取引所での売買をやめる…って、これって大変なことじゃない?

「いや、日本経済にそれほど大きな影響はないんじゃないでしょうか。IBMのメインはニューヨーク証券取引所です。日本人も含めてIBMの株を買いたい投資家は、大抵ニューヨークに注文を出しているんですよ。投資家の側が国際化しているんですね。一方、東証に上場しても、売買の数自体がニューヨークやロンドンに比べて少ないので、外国企業からすると思ったほどに資金を調達できない。上場を維持するコストに見合わないんです。外国企業が日本語で有価証券報告書を作成・翻訳するコストだけで毎年1000万円もかかりますから」(野村資本市場研究所・大崎貞和氏)

ってことはそんなに気にしなくていい?

「あと深刻に受け止めているのは政府くらいでしょうか。“東京”のイメージダウンにつながりますからね」(同氏)

う~ん、個人としては気にならないが、首都圏に住む身としては少し寂しい気も。

今やネットや証券会社を通じて、比較的簡単に外国の取引所で株を売買できる時代だ。投資家だけがグローバル化するなか、日本の証券取引所はグローバル化どころか、どんどんと外国企業を取り逃がしている。まるで日本のマーケットの閉鎖性を象徴する出来事のようだ。大崎氏は、「東証は、今後はアジアなどから、東証だけでしか株を公開しない企業を誘致すべきだ」という。

なんにせよ、東証に上場する企業が増え、首都のイメージが“上々”することを祈るばかりだ。 

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