知的財産高等裁判所が4月1日に発足

「知的財産権」が ビジネスに与える影響とは?

2005.05.19 THU

中国国務院が03年春発表した数字は関係者を驚かせるに十分だった。中国国内の模倣品の売上額が日本円に換算して3兆円を超えるというのだ。特許侵害や著作権侵害などが起きても話し合いで解決することがほとんどだったといわれる日本は、知的財産権保護に対しては至極のんびりした国だった。ところがグローバル化の進展で、そんなことはいっていられなくなってきている。

こうしたなか、4月1日に発足したのが、知的財産高等裁判所だ。戦後60年、最高裁判所を頂点に8高等裁判所、50地方裁判所の司法ヒエラルキーを保ち続けてきた司法が、経済界のニーズに応えた初めての専門裁判所。知的財産が法的に保護され、侵害されたとき裁判所が迅速、適切に判断しなければ、と保守的な司法も画期的な改革に動いたのだ。実際、これまでは国際的な知的財産紛争が起きたら、アメリカの裁判所を利用するしかないといわれていた。

国内に目を向けても、青色発光ダイオードの発明対価訴訟やコンピュータソフト「一太郎」の特許権をめぐる裁判、航空会社によるビジネスモデル特許侵害など、知的財産関連の紛争はより厳しく、激しいものになっている。知的財産の専属部隊を強化する動きが企業では加速しているが、一方で特許侵害などを細かく調べる専門部隊も拡充していると聞く。他社製品はネジ1本まで細かく分解してチェックするのだ。甘く見ていると、大変なことになるのである。

一方、特許庁には現在50万件の審査前特許出願案件があり、今後は80万件に激増するという。特許査定が出るまでの期間は26カ月と、アメリカの16~17カ月に比較してかなり遅い。そこで特許審査迅速化法成立。技術調査の民間調査機関へのアウトソーシングを解禁した。企業の持つ特許などの知的財産権を管理したり、資金調達に生かそうという動きが信託銀行に見られるなど、知的財産権は新たなビジネスチャンスとしての側面もある。知的財産権は、縁遠い言葉では決してないのである。

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