メキシコ産商品が安くなるだけじゃない!

メキシコとFTA締結日本経済へのメリットは?

2005.05.19 THU

メキシコと日本の間で締結されたFTA(自由貿易協定)が4月1日に発効された。FTAとは、国々や地域間で、輸入品に関税をかけたり、輸入の数量制限をしたりするのをやめて、もっと自由に、活発に貿易をするための協定。かつては「WTO(世界貿易機関)の多国間交渉でルールを新たにする」のが“本道”だったのだが、複数の思惑が交差する会議は合意形成に時間がかかる。ならば関心のある相手と直接交渉した方が早い、ということで、90年代以降、FTAを締結する国や地域が急増している。

だが、日本がFTAを締結したのは、シンガポールに次いで今回が2カ国目。日本がFTA初心者なのは、これまでWTOの多国間主義を重視してきたからだが、このままわが道を進み続けるのもどうかな? という情勢に背中を押され、今は東南アジアの国々ともFTA交渉を進めている。

というのも、メキシコを例にとれば、メキシコは米国や欧州をはじめとして30カ国以上とFTAを結んでいるため、高い関税を課せられている日系企業は非常に苦しい競争を強いられてきたのだ。その損失は年間4000億円とも言われている。

そしてようやくのFTA締結。日本は豚肉、オレンジ果汁など農産品5品目について低関税枠を設定。アスパラガスやパパイア、七面鳥肉などの農産品の関税を撤廃。メキシコは自動車と鉄鋼の関税を段階的に削減して後に撤廃、というのが内容の柱だ。これによって日系企業の競争力が高まるため、自動車メーカーを中心に、メキシコでの販売会社の設立や現地生産の開始など、輸出拡大へ向けて動き始めている。

このFTA締結により、メキシコは対日輸出が年間約10%伸びると予測している。日系企業にとっては自動車などの対メキシコ輸出の拡大に加えて、メキシコを足がかりに北米・南米市場への進出ができるという狙いもある。農業面では国内農家が競争を強いられるなどの問題はあるが、FTA締結の恩恵は大きそうだ。

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