企業買収の重要なポイントなのです

経営者が「時価総額」を重視するのはなぜ?

2005.05.26 THU

企業の価値を測る重要な数字は何だろう? 売上高? 営業利益? それとも株価? これらはどれも企業の業績や成長を見るうえで重要な指標だが、90年代後半以降の経営者は「(株式)時価総額」を重視するようになった。

時価総額とは「株価×発行済みの株式総数」で算出される数値。つまり、株価が上がれば上がるほどその企業の「値段」が上がるため、時価総額こそが、株式市場(投資家)が評価した企業全体の価値(価格)である、といわれている。莫大な資金をかけてプロ野球球団を所有した楽天だが、そのシナジー効果によって時価が総額1兆円を突破したのは記憶に新しい。これによって、楽天の企業価値はその知名度も含め、一気に高まったのはまぎれもない事実だろう。

時価総額をもっとわかりやすく解説すると、「その会社のすべての株式を買い取る=その会社を買収できる金額」といえる。つまり、自社の時価総額をはるかに超える現金を持つ会社が現れたら、自社が買い取られてしまう可能性も出てくる。経営者が時価総額にこだわるひとつの理由は、企業価値を対外的に高めるだけでなく、他社に買収されないための予防線でもあるのだ。

とはいえ、一線で活躍する時価総額経営者は、そんな消極的な理由だけではない。その多くは時価総額を高め、現金を調達し、ほかの企業を買収することで自社グループを拡大させているのだ。

また、06年の商法改正も追い風となっている。企業買収に必要な高額の現金を用意しなくても、買収対象企業の株主に「うちの株と交換しませんか~」と持ちかけて株を買い上げ、企業を買収できるようになるため、時価総額が高い会社ほど企業買収資金を豊富に持つ、ということになるのだ。

ただし、現在の日本企業の時価総額は、欧米企業に比べて低い。経済のグローバル化が進む昨今、外資の日本企業買収の可能性を考慮すると、日本企業の時価総額は今後ますます注目されるだろう。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト