その気になれば十分出せる?

投資するなら「増配倍率」が高い企業に注目!

2005.06.02 THU

大阪証券取引所は、決算発表から約半月後の5月17日、年間配当を前期より5000円積み増し、9000円にするとの案を発表した。決算発表時にすでに年間7000円への増配案を出していたのに、その後にさらなる増配案を出すのは異例のこと。

これは大証の発行済株式数の10%を保有する、あの村上ファンドが2万円の配当を求める株主提案を提出したことと無縁ではない。事例は異なるが、古くはソトーやユシロ化学も、米投資ファンドのスティール・パートナーズによる敵対的TOB(公開買い付け)への対抗策として、「サプライズ増配」を実施したことがある。

このように、M&Aの増加や長期安定株主の確保などに対応するため、企業の配当政策に注目が集まっている。しかし、増配をするにも先立つものがなければできない。M&Aを仕掛けるファンドも、どこが配当原資を潤沢に持っているのかを研究し尽くしている。株主還元の観点から、配当余力のある会社は将来的に増配に踏み切る可能性が高いのだ。

そこで、財務の健全性を損なうことなく増配できる会社はどこなのか、商法上のルールにのっとって配当可能利益を試算してみた。配当可能利益の半分を発行済株式数で割ったものを潜在配当額(あとどのくらい配当が出せるかという余力)とし、これを実績配当額で割ったものが「増配倍率」。この数値が、単元株の多寡に惑わされず、一律にどの会社が配当余裕があるかを示す指針となるわけだ(詳細は週刊東洋経済参照)。「増配倍率」は、今後の利益が仮にゼロでも、何年間、同じ配当額を出し続けることができるかを表しているともいえる。

サプライズ増配を出す前のユシロ化学の増配倍率が43倍、ソトーは60倍、大証に至っては62倍。増配後に各社の増配倍率は20倍前後に落ちているので、実績配当の20倍程度は余裕で増配に回せるのではないか、という類推もできそうである。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト