日中首脳が相次いで訪問

いまなぜインドが日中間のキーマンなのか

2005.06.09 THU

国際社会でいまインドがモテモテだ。特に日本と中国がご執心で、たとえば小泉首相はこの4月、日本の首相としては5年ぶりにインドを訪問し、首脳会談で両国が戦略的な交流を強めることで合意。これと前後して、中国の温家宝首相も中国首脳として3年ぶりにインドを訪問、両国の間で自由貿易地域構想を検討することで合意したという。

なんでインドがモテモテなのか。それはもちろんインド経済が急激に成長し、国際社会での発言力を強めているからだ。実際、GDP(国内総生産)をみても、アジアでは日本、韓国、中国に次ぐ規模に拡大し、米国家情報会議は「インドのGDPは2020年までに欧州に並ぶ」と予測。さらに国連の推計では、2035年のインドの人口は14億人に迫り世界最大になるという。

ただ問題は、なんで日本と中国が競い合うようにインドに接近しているのかということ。その理由はズバリ、日本と中国のアジアの主導権争いにあるといわれている。

実は日本と中国は、インドに対してそれぞれ足りないものがある。たとえば日本とインドでいえば、両国はいま協力して国連の常任理事国入りを目指しており、政治的には友好関係にあるが、中国に比べてインドとの経済交流はそれほど深くない。日本とインドの貿易額は約40億ドルだが、これに対して中国は100億ドルと2倍以上。このため小泉首相は、インド側に貿易額の増加を強く働きかけたくらいなのである。

そして一方の中国は、インドとの間に国境問題を抱えていて、政治的には仲がいいとはいえない関係。このため中国はエネルギーや軍事などの分野での協力関係を宣言し、今回の急接近を機にインドとの冷戦関係の解消に躍起になっているわけなのだ。

日本と中国がいろんな意味でライバル関係にあるのは知っていたが、こうしてみるとまるでひとりの女(男)を取り合う三角関係のようでもある。まあどちらが有利にせよ、アジアの主導権を握るうえでインドがキーマンなのは確かなのだ。

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