風情ある漁り火が消える?

青色発光ダイオードでイカ釣り漁船を青く照らせ!

2005.06.09 THU

突然ですが、青色発光ダイオード(以下青色LED)って覚えてます? 今年1月までその発明対価を巡る裁判が行われていたので、名前くらいは記憶しているのでは? 原告側が提示した200億円という請求金額も大きな関心を集めた。今回は、そんな青色LEDの知られざる一面をご紹介しよう。最新のテクノロジーである青色LEDが、実に意外な場所で使われようとしているのだ。それはなんとイカ釣り漁船。

イカ釣り漁船には、海を照らす集魚灯が付いている。イカが光に集まってくる習性を利用して、釣り上げるためだ。この集魚灯に現在は、メタルハライド灯が使われている。しかし、これが何かと問題なのだ。

まず、燃料をとにかく食う。明かりの寿命も約2年と短い。そして一番やっかいなのは熱だ。メタルハライド灯を点灯すると甲板の上の温度が10度以上も上昇してしまうのだ。しかも紫外線も発するため、イカ釣り漁船の漁師は、夜に漁に出るにもかかわらず、日焼けしているという。

しかし、青色LEDを使えば、そんな過酷な環境を一変できるという。青色LEDの消費電力は、メタルハライド灯の30~40分の1程度。寿命も10年以上と約5倍長持ち。さらに熱もほとんど発しない。まさにいいことずくめだ。そのため水産庁の支援のもと、07年の本格導入を目指している。

とはいえ、まったく問題がないわけではない。例えば、風情ある漁り火が消えることを懸念する声が上がっているという。それに対して関係者はこう反論する。

「漁り火も昔は文字通り、火を焚いて海を照らしていました。それがメタルハライド灯になり、いまのような明るい光になったんです。だから青色LEDになることで、昔のようなほのかな光に戻る。そんなふうに考えてみるのは、いかがでしょうか?」

最先端の技術が、風情を取り戻すのにひと役買っているなんて。いやはや、あっぱれだ。

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