みずほ銀行が公的資金約3兆円完済へ

あらためて振り返りたい「不良債権問題」とは?

2005.06.16 THU

みずほフィナンシャルグループが国から注入された公的資金を06年度中に完済する方針を固めた。統合前の4行で総額2兆9490億円。みずほの業務純益は年間8000億円だけに、これがいかに巨額の“支援”だったかが想像できる。そしてこの返済は、「不良債権問題」との決別を意味する。

バブル崩壊後、日本を何より苦しめたのが不良債権だ。狂乱的な地価上昇の後、バブルは一気に崩壊。土地を担保にした銀行融資はことごとく焦げ付いた。6大都市の市街地価格指数は01年度時点でピーク時の3割程度に。商業地は2割のレベルに低下した。10億円の担保価値が2億円に落ちたことを意味する。銀行は貸し出しを回収できない案件が続出、不良債権の山となった。

そして不良債権問題の最大の“問題” は、不良債権の定義が曖昧で、いったいいくら不良債権があるのかが、いつまでたっても不明瞭だったことにある。総額は40兆円、いや100兆円、なかには200兆円を超えるという説もあったが、真実を知るすべはなかった。これが不安と不信を増大。しかも、事の重大さに気づきながらも処理はお決まりの先送り。そんななか、銀行をさらに激しい荒波が襲った。国際ルールである。自己資本、つまり銀行内部の資金がある程度ないと銀行業務をしてはいけないという国際的な取り決め、BIS基準だ。銀行は融資がしにくくなり、それが企業をまた直撃。新たな不良債権を生んだ。そして誰もが予想しなかった大手金融機関の破綻の連鎖…。海外の金融機関から資金を調達するには、日本の銀行は上乗せ金利が必要だった時代が、ちょっと前にあったのだ。

02年度の「経済財政白書」は、バブル崩壊で土地と株式の価値が1158兆円目減りしたとしている。実にGDP2年分の富が消えたのだ。公的資金投入には様々な意見があったが、金融安定化への貢献は疑いがない。とにかく今は素直に喜ぼうではないか。日本はとんでもない危機から、ようやく脱出しつつある、と。

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