橋梁工事談合事件で素朴な疑問

ところで「談合」はなぜいけないのか?

2005.06.23 THU

鋼鉄製の橋の工事をめぐる談合事件が世間を騒がせている。なんでも、舞台となった工事の市場規模は3500億円、関与していた鉄鋼メーカーは三菱重工業をはじめ47社にも上り、談合事件としては過去最大だという。

ところで「談合」はなぜいけないことなのか。広辞苑によると、談合とは「話し合うこと」。つまり今回の場合、橋の工事をどの会社が受注するかを各社の話し合いで決めていたことが問題になっているわけだが、話し合いがなんでいけないのか。その理由とはズバリ、橋をつくるときにかかるお金が税金だから――。たとえば、本州と四国を結ぶ総工費何百億円の橋梁工事があるとしよう。すると国土交通省などの国の役所はまず、業者である鉄鋼メーカーを集めてコンペを呼びかける。で、業者側はそれぞれ見積書を作成して役所に提示し、役所は1番安い金額の会社に工事を依頼する。これが「入札」というシステムで、こうすれば業者間の競争が生まれ、役所は税金をあまり使わずに安くていいものがつくれるのだが、では談合した場合はどうか。

事件に関与していた47社は、2つの談合グループを組織し、工事を受注する会社を自分たちで勝手に決めていたという。コンペをしないのだから、当然工事費用はムチャクチャ高くなり、業者側は儲かる――。つまり談合とは、自由な競争をせず、税金を無駄に使うという犯罪なのだ。そのため今回の事件では、18社が独占禁止法の「不当な取引制限」で告発されている。

もっとも、世の中には談合を「必要悪」という便利な言葉で正当化する人も少なくない。確かに安く受注すれば、それだけ下請け業者や孫請け、末端の労働者に至る人たちにしわ寄せが及ぶわけだし、談合がなければ一部の会社に工事が偏る可能性もある。

しかし、談合という慣習が政治家の汚職や官僚の天下りの温床となり、なにより莫大な国の財政赤字が、談合による税金の無駄遣いによって膨れ上がったということは知っておくべきだろう。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト