中小企業淘汰のクライマックスが進行中

民間企業の倒産件数減少は景気がよくなった証拠なの?

2005.06.23 THU

企業倒産の件数が減ってきている。民間の調査会社、帝国データバンクの4月の全国企業倒産集計(負債額1000万円以上)によると、倒産件数は前年同月比20.3%減の948件で、バブル崩壊直後の92年1月以来、13年3カ月ぶりの950件割れ。最近のピークである01年10月(1911件)から3年半で半減した。

しかし、倒産件数の減少イコール「景気が良くなってきた」と考えるのは早計だ。実際には、厳しい企業淘汰のクライマックスが進行中である。大手企業の不良債権処理に巻き込まれて倒産企業が相次いだ00年以降が第1ラウンドで、現在はここまで何とか持ちこたえてきた中小企業の倒産が相次いでいるのだ。

たとえばこの4月は、破産など事業を継続しない精算型倒産が全体の44%を占め、過去2番目の高水準にある。かつては会社更生法など事業継続型の倒産が多かったが、現在は息の根を止められる倒産が多いのだ。また、手形を決済できずに実質的に倒産するのではなく、負債を抱えたまま自ら会社の解散を決める任意整理が全体の半分を占めている。

倒産件数の減少には、政府の中小企業支援強化が功を奏してきた側面がないわけではない。しかし、全国の企業数が年々減少していること、さらに任意整理が33カ月連続して減少していることを併せて考えると、やはり中小企業淘汰のクライマックスが進行していると読むべきだろう。

ちなみに、今年5月以降の倒産集計では倒産件数はさらに減る。なぜなら、帝国データバンクは倒産件数の半分を占める任意整理をカウントしないことにしたからだ。

倒産の実態が見えにくくなりそうだが、逆に事件性の高い倒産が目立つようになる。たとえば、官と民が共同出資する第3セクター「スペースワールド」の民事再生法適用の申請はその予兆だろう。景気の良し悪しは、倒産件数の増減ではかれるほど単純ではなくなった。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト