W杯や五輪でおなじみの経済予測

○○の経済効果××億円はどこまで本当なのか?

2005.07.07 THU

「クールビズの経済効果は1008億円」――。先日、第一生命経済研究所がこんな試算を発表した。なんでも、クールビズによってサラリーマンが夏の軽装を買い揃えたりする直接的な経済効果が619億円、小売店の改装費用などの間接的効果が389億円に上り、さらにGDP(国内総生産)の押し上げ効果も637億円ほど見込めるらしい。

でもいつも思うのだが、こういう試算ってどこまで本当なのだろうか。なにか新しい現象が起きたり大きなスポーツイベントがあったりすると、すぐに民間シンクタンクが「○○の経済効果は××億円」と試算するけど、その一方、予測結果について発表されることはほとんどないからだ。

ちなみに、ここ数年の代表的な経済効果予測を並べてみると、こんな感じだ。

アテネ五輪の経済効果8857億円。阪神タイガース優勝による経済効果6355億円。新紙幣発行の経済効果5000億円~2兆円。愛知万博の経済効果2兆円。サッカー日本代表のドイツW杯出場による経済効果2500億円――。ほかにも、「冬ソナ」ブームの経済効果とか、紀宮さまのご結婚による経済効果なんてものもある。

では、こうしたスポーツイベントや現象は本当に何千億円ものお金を日本経済にもたらしたのか。実をいうと、経済効果とは「どれだけお金が動くか」の指標であって、なにもお金が儲かるとかそういう話ではないのだ。仮に試算通りの効果があったとしても、それは「お金がそれだけ通過しました」というだけで、景気と別の問題なのである。しかもその計算方法も、極端にいえば計算を担当する人が「この分野にも効果が見込めそうかな」と思いつけば入れてしまうことも可能で、つまりはじめから非常に曖昧なものと考えたほうがいいのだ。

そもそも、最近の経済効果はほとんどネタ化しており、試算する側も楽しんでいるフシさえある。試算と予測をネタとして楽しむ――これが正しい経済効果の見方なのかもしれない。

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