最先端技術の保護と地域活性のコラボ!?

家電メーカーが工場を「国内回帰」させるワケは?

2005.07.21 THU

「家電って、製造コストを下げるために、人件費の安い国の工場でつくられているんでしょ?」。答えはイエス。現に日本の家電メーカーの多くは海外に工場をもち、コストダウンで競争力を保っているといっても過言ではない。

しかし最近、数百億円規模にのぼる大型投資によって、国内に生産工場を建設するメーカーが増えつつあるのをご存じだろうか。いったいなぜメーカー工場の国内回帰が進んでいるのか? 約1年半前、他社に先駆け、三重県亀山市に液晶パネルを製造する亀山工場を稼働させたシャープの広報室によると、その最大の理由は“技術のブラックボックス化”にあるという。

「現在着工中の亀山第2工場では、第8世代と呼ばれる非常に大きなマザーガラス(2160mm×2400mm)を製造できる生産ラインが完成します。海外メーカーとの競争において、こういった最先端の生産技術や知的財産を保護すること、つまり海外に工場をつくらず、国内で技術をブラックボックス化することが重要なのです。また、亀山工場周辺には協力メーカー各社が隣接していますが、複数の業者に細かく発注することでノウハウが外部に流出しないよう徹底的に管理しています」

生産拠点を国内に据えることで面白い現象も起きている。スーパーで米を購入するとき、多くの人は「こしひかり」「あきたこまち」など、品種や産地をチェックするだろう。それと同様に、家電量販店に並べられたシャープ製の液晶テレビには「亀山工場生産モデル」のポップが立ち、1つのブランドとして認知されつつあるのだ。

一方、大手メーカーの国内工場建設は、地元の雇用拡大や地域活性化にもつながる。自治体のなかには企業誘致による経済効果を期待し、莫大な補助金を交付するケースもあるのだ。地方分権が叫ばれつつも財源不足に頭を抱える自治体にとって、大手メーカー工場の国内回帰は“希望の光”なのかもしれない。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト