流通、通信、金融、製造業界などで相次ぐ

M&A件数が高ペースで増加これって何を意味するの?

2005.08.04 THU

M&A(企業の合併・買収)の件数が増加している。特に、IN‐INと呼ばれる国内企業同士のM&Aが99年以降、比率を上げている。この背景には何があるのか?

調査会社のレコフによれば、05年1~6月のM&A目的は、既存ビジネスの強化(68・2%)が断トツ。ほかにもバイアウト(経営権の取得)・投資(14・8%)、企業間の関係強化(8・6%)、新規参入・事業の多角化のため(1・0%)などが並ぶ。M&Aによって本業の収益力向上を図る日本企業の姿が浮かび上がる。

M&Aの多くは、企業がお互いの強みを補完し合う友好的な買収や合併だ。だが、ライブドアによるニッポン放送株取得が話題になり、相手企業の経営権を奪い取る敵対的買収=M&Aという負のイメージが強まってしまった。

市場経済全体をマクロな視点で見ると、M&A自体は健全な競争メカニズムに基づく行為であり、悪いことではない。組織の新陳代謝が進み、新しいビジネスチャンスの創出による経済の活性化、景気浮揚効果が期待される点に注目すべきだろう。

ライブドアによる買収劇では、株式の取得方法やフジ側の買収防止策の進め方でもめて裁判に持ち込まれたが、この一連の騒動によって少なくともM&A取引を円滑に進めるために日本で遅れていた法整備の必要性などの問題が提起された。今後、制度が整うとともに、M&Aの活発化が予想される。

ただ、敵対的買収に危機感を抱く企業側は、様々な防衛策を講じる動きを見せている。第三者の支配権を弱めるため株式の総数を拡大したり、取締役の定員を減らすよう定款を変えたりといった手法だ。株式の持ち合いも再び活発化する。

しかし、既存株主の利益を守るという美名を笠に、経営者が保身に走るようでは本末転倒。会社の私物化を防ぐためにも、株主総会や社外取締役などによる積極的な監視が必要になりそうだ。

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