ついに中国の人民元が2%切り上げ

ところでなぜ人民元は固定相場制だったのか

2005.08.25 THU

中国の中央銀行がついに人民元を切り上げると発表。これまで1ドル=8.28元にほぼ固定だった人民元の対ドルレートを約2%切り上げ、1ドル=8.11元にするという。

これを受けて、早くも新聞各紙では今後の世界経済はこうなる―といった予測が飛び交っているが、そもそもなぜ人民元には対ドルレートを固定する固定相場制が採用されてきたのか。なんで人民元への交換は円やドルのように自由化されないのか。

簡単にいってしまえば、その理由は世界貿易における中国の経済力が弱かったからということに尽きる。通貨レートというのはひとつの国の経済が発展していくときに必ず浮上してくる問題で、一般的に通貨レートが低いと輸出に有利で、逆に通貨レートが高いと輸入に有利とされる。経済力が弱い国はその点を生かして他国にバンバン輸出をするわけで、いわば経済力の強い国から「為替変動の制限」という貿易上のハンデをもらっているようなものなのだ。

だから、その国が経済力をつけたときには必ず対等で自由な競争を求められることになる。実際、日本も1949年以降、固定相場制によって1ドル=360円で固定されていたのだが、1971年に16.88%という大幅な円切り上げをおこない、73年からは完全な変動相場制に移行。その大きなきっかけは、対米自動車輸出の増加によって米国の貿易赤字が膨らんだためだった。

いま中国の貿易額は1兆1547億ドルで、貿易黒字は300億ドル以上。もちろん日本よりも上で、米国にいたっては対中貿易赤字が1500億ドルにも膨らみ、さらに拡大する恐れさえあるという。

米国が人民元切り上げの圧力をかけるのもある意味当然だが、では近い将来、人民元は交換可能な通貨になり、変動相場制になるのか。たぶんそうなっていくのだろうけれど、それにしても今回の人民元切り上げ、かつての対日圧力、日米貿易摩擦を思いださせるところもあり、なんだか複雑な気分にさせられるのである。

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