竹中氏が「バブル後」終結宣言したが…

日本を苦しめていた「3つの過剰」とは?

2005.09.16 FRI

2005年度の経済財政白書が発表された。当時の竹中平蔵経済財政担当大臣が政府に提出した白書では、「バブル後と呼ばれた時期を確実に抜け出した」と宣言。その理由として、設備、雇用、債務の「3つの過剰」がほぼ解消したことを挙げている。なぜこんな過剰が発生してしまったのだろうか。

バブル期までの日本は、オイルショックなどの一時的な不況をのぞけば、まさに右肩上がりに経済が成長していた。ここでの前提は、今月より来月のほうがモノはたくさん売れる。今年より来年のほうが土地や株の値段は上がるというものだった。ならば、借金をしてでも早くたくさんモノを作ったり置いたりして、より多くの設備や人材を持っていたほうがいいし、土地や株を買っておいたほうがいい。企業の経営者が考えたのは、当面の利益よりも、早く会社の規模を大きくすることだった。

経済が順調に伸びている間は、これで結果を出せた。モノを作ったり置いたりすれば売れたし、土地を買えば上がった。ところが、バブル崩壊で成長が止まった。売れるはずだったモノは売れなくなった。工場や売り場などの設備は余り、人も余り、借金がのしかかってしまった。新しい設備への投資も進まないから他の企業も潤わず、景気も上向かない。古い設備では生産性も上がらず、売り場に新鮮味も生まれない。企業は負のスパイラルに陥ってしまった。

3つの過剰がもたらしたのは、企業の損益分岐点の上昇だった。人も設備も借金も余計にあるわけだから、コストが高くなるのは言うまでもない。結果として企業は、売り上げが伸びても利益が出にくい体質になってしまった。3つの過剰の解消宣言とは、企業の損益分岐点が下がり、利益が出る体質になったことを意味するのだ。事実、上場企業は過去最高益を更新している。

3つの過剰というバブルの重しがようやく外れつつある。政局の混乱は続くかもしれないが、経済はこのまま順調に軌道に乗ってほしいものだ。

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