ワールド、ポッカが発表したMBOって何?

上場した優良企業が株式を非公開化する理由

2005.09.22 THU

アパレル大手のワールドに続き、飲料大手のポッカコーポレーションもMBO(Management Buy-Out)を発表した。今、こうした企業の上場廃止に向けた動きが広がっている。

MBOとは、経営陣による自社株買収のこと。企業の事業部門や子会社の現経営陣が金融機関や投資ファンドと組み、自社の事業部門や子会社の営業資産や株式を買収する、M&A(企業の合併・買収)の一種である。MBOは株式の非公開化だけでなく、事業の分離(スピンオフ)や承継、再生などの目的にも利用される。

上場(株式公開)は、資金調達の多様化、取引における信用力の向上、市場でのブランド力強化をもたらし、一般に優良企業の証しでもある。それを自らの手でわざわざ取りやめるのはなぜか? 上場廃止すれば、必要な運転資金の調達は、返済しなくてはならない借金に頼らざるを得なくなるけど大丈夫なのだろうか。

その答えは…「資金が豊富」「友好的な株主が議決権の多くを占める」などの条件が揃えば、イエス。戦略的に非上場化することで敵対的買収のリスクを減らし、株式市場の声を気にすることなく事業に専念できる。社員としても、会社が身売りされる心配が少なくなり安心できるのだ。

ワールドやポッカのような株式非公開化の動きは、今後も続くのか? 社外取締役などを歴任する公認会計士の磯崎哲也氏は、「増加する」と見る。

「理由は3つあります。1つは、MBOの意味やスキーム(手法)についての理解が市場に浸透しつつあること。2つ目は、MBO案件に資金を供給するファンドが増え、『金余り』気味であること。最後は、とりわけエンロン事件以降、公開企業に対する規制が厳しくなりつつあり『公開のコスト』が上昇しているからです」(磯崎氏)

株式公開の意義そのものが見直されるなか、今後は対日投資をうかがう外資系ファンドのマネーの矛先もMBOに向かうことになりそうだ。

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