野村證券がいよいよ銀行業参入?

証券と銀行が法律で分離されていたワケ

2005.09.29 THU

野村證券が来年中にも銀行業に本格参入か、というニュースが大きく報じられた。銀行はすでに傘下に証券会社を持っているし、証券会社が銀行業に参入しても別に驚くべきことではないとも思えるのだが、そうではないらしい。このニュースは、ひとつの時代が完全に終わったことの象徴だったからだ。

そもそも銀行と証券は法律で分離することが定められていた。証券取引法65条である。この法律のルーツはアメリカで1933年に制定された「グラス・スティーガル法」だ。1929年の大恐慌の後、証券を兼営していた銀行が経営に大打撃を受けて相次いで破たんした反省から、銀行業務と証券業務を兼営してはならないと「銀証分離」をうたった。日常生活にも直結する「銀行破たん」のインパクトは、途方もなく大きいからだ。そこで日本も「グラス・スティーガル法」を参考に、“銀証分離”をうたう証券取引法65条を作ったのである。

ところが時は流れ、世界中から投資先を求めて資金が飛び交う時代になった。各国金融当局にとって、重要な金融政策のひとつとなり始めたのが、国内外の投資家が魅力を感じる金融市場を作ることだった。世界の投資家の動向が、経済に大きな影響を及ぼすからだ。そうなれば縛りはないほうがいいに決まっている。日本では、バブル崩壊で銀行が苦況に陥ったことも手伝って、1993年の金融改革から、銀証分離の「規制緩和」をじわじわ進めていったのだ。アメリカでも1999年に事実上、銀証分離は大きく緩和されることになった。

だが、これまで目立っていたのは実は銀行主導による証券参入、提携だった。ところが、今回は違う。証券主導の本格的な銀行参入なのである。しかも、主役は業界のガリバーであり、全上場企業の6割で幹事証券を務める野村證券。この参入こそ、銀行・証券入り交じりの本格的な競争時代の到来を意味するのである。野村證券が、どんな銀行業を作っていくのか。消費者として楽しみに見つめたい。

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