銀行の統合から経済を考える

不良債権処理ってあれからどうなったの?

2005.11.10 THU

東京三菱銀行とUFJ銀行が来年1月に統合する。総資産190兆円という世界最大のメガバンクがいよいよ誕生するのだ。

金融界再編の動きが進むなか、銀行が統合の道を選ぶ理由は主に2つある。ひとつは、銀行の規模を大きくすることで効率化を進め、収益力を高めるため。またひとつには、不良債権処理で自己資本をすり減らした銀行を合併で救済するためだといわれている。あれ、そういえば不良債権処理の話題って、かつては毎日のようにニュースで取り上げられていたけど、その後どうなったのだろう?

02年、竹中平蔵氏をはじめとする当時の金融庁が「金融再生プログラム」(通称:竹中プラン)を公表し、「05年3月末までに、大手銀行は総貸出残高に占める不良債権比率を半分にせよ」という目標を掲げた。

「今年の3月末で大手銀行はこの目標を大幅に超過達成し、早ければ来年度中にも公的資金の返済が終わる見込みです。不良債権処理については、ほぼめどが立っているんですよ」と経済アナリストの森永卓郎氏はいう。たしかに金融庁のHPを確認すると、02年度3月期には43.2兆円だった全国銀行の不良債権が、05年3月期には17.9兆円と、25.3兆円も減少している。目標は達成されたのだ。銀行が身を削ったのと(この荒療治に応えられなかったのが、「りそな」のケース)、一方で全国的な地価の下がり幅が緩和され、株価が回復してきたことで、銀行が担保として保有する資産(土地や株など)の価値が回復したためだ。

竹中大臣は本年度版経済財政白書の公表にあたって、「負の遺産を清算するための『守りの改革』から、『攻めの改革』へと転じる時にきている」と述べた。不良債権問題は一定の成果を出した。では今後、はたして竹中プランの目論見通り、銀行業が貸し渋りをやめて、貸出を拡張。その結果お金が循環することで国内景気が回復する、そんな路線を辿ることになるといいんですけど…

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