キリンの段ボール箱がMoMAに展示!

ところで、MoMAってどれぐらい権威があるの?

2005.11.10 THU

ニューヨーク近代美術館(通称MoMA)は近・現代アートの殿堂ともいわれる美術館だ。昨年11月には日本人の建築家・谷口吉生氏設計による増改築が完了。そんな新生MoMAにこのたび展示されることになった栄誉ある日本製品があるんですよ。

 それは、なんと段ボール箱。キリンビールが04年5月からアルコール缶飲料の梱包に導入した「コーナーカットカートン」という段ボール箱が、10月16日から来年1月2日まで開催されているMoMAの「SAFE リスクに挑戦するデザイン」展に出品されているのだ。

「同展は製品の安全性や社会的役割に着目したもの。四隅を断ち落とすことで持ちやすさと強度が向上し、同時に紙の使用量の削減も実現した段ボール箱のデザイン性が評価されたのでは」(キリンビールマーケティング部・大久保利啓さん)

すごいなあ、と感嘆する前にちょっと待った。そもそもMoMAってどれぐらい権威があるの? 豊田市美術館(愛知)学芸員の能勢陽子さんに話を聞いてみた。同館は、新生MoMAの建築をどこよりも早く詳しく紹介する「谷口吉生のミュージアム」展を12月25日まで開催している。

「MoMAは1929年の開館時から、当時まだ一般的ではなかった現代アートを積極的に紹介してきた美術館。工業製品や建築、さらには映画なども芸術として収集・展示したのもここが最初なんです。その背景には、歴史の浅いアメリカの、ヨーロッパ文化に対するコンプレックスもあったのかも知れませんね」(能勢さん)

ちなみに、現在、デザインギャラリーには「NYの地下鉄路線図」「Vespa(スクーター)」「アイボ」「ダイソンの掃除機」なども展示されている。

現代アートに関しては、作品の価値をMoMAが決めているといっても過言ではないという声も聞く。この段ボール箱もいつしかプレミアがついて街では争奪戦が…なんてことにはなりませんよね。

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