まもなく輸入再開だけど

アメリカの牛肉輸入、結局、全頭検査はなしでいいの?

2005.11.24 THU

米国牛からBSE(牛海綿状脳症)感染が見つかったのが2003年12月。以来、日本では米牛肉の輸入を禁止してきたわけだが、内閣府の食品安全委員会内に設置されているプリオン専門調査会の答申をうけ、年内には輸入が再開される見込みとなった。

これまで米牛肉の輸入を禁止していたのは、国産牛で実施している全頭検査をアメリカが拒否していたからだった。つまり日本は、「うちと同じ基準(=全頭検査)で検査しないなら、輸入できませんよ」と言い続けてきたわけだ。

で、このたびの結論は、「生後20カ月以下の牛なら、(全頭検査せずに)脳や脊髄などの特定部位の除去でいいですよ」というもの。ここで「本当に全頭検査しなくても大丈夫なの?」と疑問に思うのもムリはないが、こうした問題こそ感情的にならず、冷静に考えることが必要だろう。

まず、専門家の間では、「20カ月以下の牛からは、異常プリオンは検出できない」というのがほぼ一致した見解。検出できない以上、検査をしてもしなくてもリスクは変わらない。「それなら全頭検査で異常プリオンを検出できる、生後20カ月以上の牛を輸入すべきじゃないか」という反論もあるだろう。でもこれは、検査のコストがかかってしまうのだから、アメリカにとってうまみのない話だし、そもそも輸入される米牛肉の多くは生後20カ月以下のものなのだ。

一般消費者として最低限理解しておきたいのは、BSE感染のリスクを防ぐ一番の対策は、危険部位の確実な除去だということ。それでも、リスクはゼロにはならない。が、科学的な見地からは、極めて低いリスクであることは事実だ。

もちろん、「アメリカの食肉処理が適切に行われているか」という点については、日本政府が責任をもってチェックすることは必要だ。でもそこをクリアしていれば、安い米国牛が再び買えるようになることは、消費者として歓迎していいだろう。

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