日銀の金融政策に政府が待った!?

量的緩和が解除されるとニッポン経済はどうなるの?

2005.12.01 THU

日本銀行が10月30日に発表した05~06年度の「経済・物価情勢の展望」が経済界に波紋を広げている。デフレ脱却を示す物価の上昇率が来年度に向けプラスに転じ、来春にも量的緩和政策の解除条件が整うとの認識が示されたからだ。 

確かに、デフレが続けば(=物価が上がらなければ)企業の売上増、ひいては景気を上向かせる設備投資など、経済活動の盛り上がりは望めない。日銀はこれまで、伝統的な金融政策である「金利の引き下げ」によって企業の借り入れを促してきたが、99年2月に導入したゼロ金利政策以降、効き目は限界に近づいていった。

そこで、01年3月に導入されたのが量的緩和だ。これは、一般の銀行において、融資規模の基準となる日銀の当座預金残高を増やし、日本経済に流通するマネーの「量」を増加させようというもの。銀行の貸し出しを通じてマネーを市場全体に回し、経済活動を活性化させてデフレを克服する狙いがある。当座預金残高の目標額は、導入当初は5兆円だったが徐々に引き上げられ、現在は30兆~35兆円規模にまで膨らんでいる。

しかし、その後は景気も大きく変化。『ダイヤモンド・ザイ』編集長の浜辺雅士氏(www.zai.ne.jp)は、「景気の好転は企業努力の賜物で、日銀のおかげではない。量的緩和にアナウンスメント以上の効果はなく、むしろ過度の金融緩和が市場の規律を喪失させバブルを産む副作用がある。退出すべきダメ企業も生き長らえるので早めにやめるべきだ」と、解除を支持する。

だが、政府は「景気回復に水を差しかねない」として、解除の動きを牽制。というのも、かつてゼロ金利政策を発動してきた日銀が、IT業界の活況などを機にこれを解除した直後、相次ぐ企業の経営破たんを招いた苦い経験があるからだ。国債の利払い増も懸案である。

解除の時期や手法を巡る日銀、政府、産業界の駆け引きは続く。

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