株式会社じゃないって知ってた?

大手生命保険会社はどうして「相互会社」なの?

2006.01.12 THU

誰もが知ってる大企業。でも株式会社でもないし、株式上場もしていない。大手生命保険会社だ。実は相互会社、という聞き慣れない法人名なのだ。相互会社とは、保険業法により保険会社にだけ認められた経営形態。そもそも保険は、契約者の払った保険金が、万が一の事態に直面した人に支払われる、相互扶助の仕組みで成り立っている。この相互扶助の精神を最大限に生かそうという発想から生まれているのが相互会社だ。

株式会社は、発行した株の株主が所有している。株式会社が得た利益は当然、株主に還元しなければならない。これに対して相互会社では株主は存在しない。保険契約者一人ひとりが株主に相当する“社員”と呼ばれる存在になる(いわゆる社員は職員と呼ばれる)。したがって、もし保険会社で保険料が余ったり、予想以上の運用益が出るなどの大きな利益が生まれたとき、株式会社であれば還元すべき株主がいないため、契約者である社員だけで分配することができる。つまり、できる限り少ない費用で相互扶助の保険を提供できるのだ。

一方で株主総会のような経営のチェック機能もある。「社員総会」だ。だが、株式会社の株主が大会社でも数十万人なのに対し、相互会社の社員数は数百万人から1000万人以上にのぼる。しかも、一人ひとりの権利は同じ。これではとても総会など開けない。そこで社員の中から代表たる「総代」を選出し、「社員総代会」が開かれている。ある保険会社では、総代は142人。主に企業経営者や地元の名士などから候補が選ばれているケースがほとんどだ。

相互会社の考え方は海外でも同じ。だが、大手は相互会社が多かったアメリカでは、株式会社化が進んでいる。たしかに費用が安く済むメリットはあるが、株式会社と違って外部からの資金調達などが自由ではない。他の金融グループとの合併や統合も簡単にはできない。日本でも、生保の株式会社化はひとつのキーワードなのだ。今後のニュースに、ぜひご注目を。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト