インフレターゲットって知ってます?

FRBの新議長、バーナンキ氏が日本に要望することは?

2006.01.12 THU

来月より、アメリカのFRB議長が、グリーンスパン氏からバーナンキ氏へとバトンタッチをする。「連邦準備制度理事会」と訳されるFRBは、アメリカの中央銀行のことであり、日本でいえば日本銀行がこれにあたる。

このバーナンキ氏は、経済学者やエコノミストのあいだでは知らなきゃモグリなお方。あのハーバード大学の経済学部を首席で卒業したデフレ研究の第一人者なのだ。これまでも、デフレ不況に苦しむ日本に対して数々の提言をしてきた。なかでも有名なのが「インフレターゲットの設定」。これは人々に将来、インフレが来ると思わせるように、日銀が一定のインフレ目標率を掲げる、というものだ。

デフレ不況の解釈には、大きく分けて、供給側に原因があるという見方と、需要側に原因があるという見方の二つがある。前者は、日本経済の生産能力の低下が不況をもたらしたと考え、「構造改革」によって市場の効率化を推進する。小泉首相の主張は、まさにこれ。一方、後者は、人々がモノを買わなければ、いくら生産性が高まっても景気は好転しないと説く。公共事業も日本では効果なし。そこで日銀が「これからはインフレになりますよ」ということをアピールする。インフレになるとお金の価値は下がるので、消費者は損をしないようにお金を使うようになるという筋書き。バーナンキ氏は後者の見方から、このような日本経済の処方箋を提案してきたのである。

もともとインフレターゲットは、インフレ抑制のために用いられるものであり、デフレ脱却に使われた例は過去にはない。したがって日銀もこれまでは、消極的な態度が目立っていた。しかし、アメリカではバーナンキ氏の主導のもと、デフレ予防策としてインフレターゲットが導入される可能性は高い。となれば日本でも、同様の金融政策が現実味を帯びてくる。「量的緩和の解除」とともに、今年の日本経済のキーワードとして押さえておきたい。

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