ライブドア・ショックの伏線だったかも…

ジェイコム株誤発注問題、覚えてますか?

2006.01.26 THU

証券関係者に言わせると、単純な誤発注は昔からあったらしい。さらに近年、証券業務は複雑さを増した。取引単位ひとつとっても、従来の1000株単位の銘柄もあれば、100株や1株もある。ややこしいのだ。

61万円で1株売りの予定が、1円で61万株の売りを出してしまった昨年末のジェイコム株誤発注。たしかに単純ミスであり、20代の担当者は警告を無視してクリックを続けたと非難めいて報道されたが、よく出る警告を素通りしてしまうという行動は誰にでもわからなくもないはず。だが、見極めておかなければならないのは、その代償があまりに大きかったという点。ほんの小さなミスで途方もない額のお金が吹っ飛んでしまう。今はこういう時代なのだ。

この問題では、年末に当時の生々しいやりとりが明らかにされた。担当者がすぐに誤りに気づき、取り消し注文を出したこと。東証は「誤発注なのか」と電話をかけたが、それが他部署にかかってしまい、確認に手間取ったこと。この時点で取り消せていれば、損失は数億円で済んだが、取り消せなかったこと。証券会社は買い戻しを決断し、売り注文を出した61万株のうち、約47万株を買い戻したこと。だが、この間のわずか10分間で400億円もの利益がばらまかれることになってしまった。

一部の証券会社で利益返上の動きがあるが、誤解してはいけないのは、損失を出した証券会社に利益が戻されるわけではないことだ。基金などに寄付されるのであって、証券会社の損失は変わらないのである。

折しも年明け早々、今度は別の証券会社で誤発注が相次いだ。約100万円の買い注文のつもりが、約10億円の注文を出してしまった社員の個人取引もあった。ライブドア・ショックでも、システム能力の限界により世界にも例のない売買取引停止に追い込まれた東証。売買システムは、巨額の費用を投じて見直すといわれる。誤発注も取引停止もないシステムの構築をぜひとも期待したい。

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