R25世代が頑張ればいい?

人口減少で、むしろ日本は豊かになる?

2006.03.16 THU

昨年末に報道された「日本の人口、自然減」というニュースにはショックを受けた、という声が少なくない。生まれてくる子どもよりも、死んでいく人のほうが多くなったのが日本。まさに国が衰退するイメージが浮かぶ。「少子高齢化」という言葉では感じられない深刻さが伝わってきたニュースだった。

ここ数年、少子高齢化問題にからんで、日本の今後に警鐘が鳴らされてきた。このままでは人口が減る。そうなれば、労働力人口も減る。ならば、経済成長率もダウンせざるを得ない。街には高齢者があふれ、年金や医療などの社会保障費は膨らむ。ところが、高齢者を支える若者は少ないから現役世代の負担は重くなる。さらに高齢者が持っていた巨額の貯蓄は減る一方。もちろん税収も増えないから、国の財政も厳しくなる…。なんともお先真っ暗なシナリオが簡単に描けてしまう。

ところがある大学教授に取材したとき、こんな話を聞いた。そうしたシナリオは、前提に注意して見る必要がある、と。人口が減れば労働力人口が減る。だから経済成長率も落ちるというが、では最新のテクノロジーなども駆使し、労働生産性を上げ、経済成長率を落とさないようにすればどうなるか。人口が減って経済規模がそのままなら、一人当たりGDPは大きくなる。つまり、豊かさはむしろ増すことになるのだ。

実際に過去の日本の人口と一人当たりのGDPを見てみると、50年間で人口は1.4倍だが、一人当たりGDPはなんと7.3倍になっている。つまり人口の増え方以上にGDPが拡大したということ。一人当たりの労働生産性が大幅に上昇しているからだ。今後も、経済規模が落ちないような取り組みを進めればいいというのである。

もちろん少子高齢化対策も大事。しかし一方で問われてくるのは、少子高齢化時代に見合った社会をどう作っていくかだ。悲観しようが楽観しようが、新しい時代は間違いなく来る。今やるべきは、そのためにみんなで知恵を絞ることだ。

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