日銀と政府の金融政策にズレがある!?

デフレってもう終わったの?量的緩和解除との関係は?

2006.04.06 THU

日銀が約5年間続いた量的金融緩和政策の解除を決めた。量的緩和政策とは、日銀が世の中に出回るお金の量を増やし、そのお金で企業の設備投資や運用を促す金融政策のこと。今回これを「解除」することで、これまで金融機関が自由に運用できた日銀の当座預金の残高は、今後数カ月かけて現在の5分の1程度に減らされる見通しとなっている。

これまで企業などの借り手は、量的緩和によって低い金利で金融機関から大きく借金することができ、そのお金が設備投資などに回され、少しずつ日本の景気は回復してきた。しかし、そもそも量的緩和は、企業倒産などが相次いだ5年前、銀行の不良債権問題の解消やデフレ(物価の下落)抑制のために、日銀が施した窮余の策。あくまで緊急導入した、世界でも類を見ない異常な金融緩和政策だったのだ。

今回、日銀が量的緩和政策の解除を決定した理由は、銀行の基礎体力が回復し、企業の懐に余裕ができてきたと判断したから。確かに、都市部の土地の価格は上昇傾向で、身の回りの商品やサービスも値上がり気味だ。物価が下がり、お金の価値が上がる状態からようやく抜け出した、つまり「デフレ脱却」という言葉がニュースなどで流れるようになってきたのだ。

ところが、財務省にしてみれば、量的緩和の解除によって長期金利が上がれば国債の利払いも増えてしまうし、もしまた景気が悪くなると税収減になってしまう。景気後退の危惧をもっている小泉首相も、「まだ、日本がデフレを脱却したとはいえない」と、日銀の量的緩和解除に慎重な考えを示している。

これに配慮したのか、日銀の福井総裁は量的緩和解除とデフレ脱却の関係については言葉を濁し、「当面はゼロ金利政策は続ける」との声明を発表。このように、今回の量的緩和解除をめぐるやり取りでは、政官財の様々な思惑が交錯しているのだ。「デフレ脱却」が高らかに宣言される日はまだ遠いのだろうか。

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