あの大騒ぎから早2カ月…

「量的緩和」解除で世の中はどう変わった?

2006.05.18 THU

日銀の金融政策がいよいよ異常事態から脱したことで、まず期待されたのが、超低金利からの脱却。預金金利アップだ。たしかに解除後1週間で上がった。が、大手銀行では300万円未満の定期預金で0・0数%レベル。これじゃ、ほとんど変わってないも同然。それもそのはず。日銀は「量的緩和政策」は解除したけれど、「ゼロ金利」政策は解除していないのだ。そもそも銀行には今、お金は大量にある。なんとか金利を上げて預金を集めよう、なんて状況にはまったくない。そこにもってきて、日銀が金利をゼロに誘導しようとしているのだ。これでは、金利の大幅アップは望めない。

金利といえばもうひとつ、ローン金利がある。例えば住宅ローン金利。「ゼロ金利」なのだから、こちらもほとんど上がっていないのかと思いきや、上がっているのだ。住宅公庫でも大手銀行でも3月、4月の2カ月連続でアップ。上昇幅は0・数%。預金金利のアップ幅より大きい。どうしてこんなことに? 実は、日銀が「ゼロ金利」で調節しているのは、「短期金利」。ところが、住宅ローンの金利を左右する「長期金利」はマーケットによって決まる。これが急騰しているのである。

長期金利の指標とされる10年物国債は4月に一時2%を超え6年8カ月ぶりの高水準となった。さらに今なお上昇傾向中。長期金利は、企業の資金の借り入れ金利にも連動する。長期金利上昇は、住宅ローンを抱える家計にダメージを与え、企業経営にもダメージを与えるのだ。そうなれば、景気にも株価にもダメージになる。

最近、長期金利の上昇のニュースがさかんに流れていたのは、この影響を懸念してのこと。そして今後の焦点は「ゼロ金利」政策の解除がいつになるか、である。預金金利が上がることになりそうなのはうれしいが、長期金利もさらに上がる可能性があるのだ。早ければ夏か、秋か、と言われるが、判断を誤れば景気は失速しかねない。日銀の綱渡り政策はまだ続く。

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