企業の社会的責任も格付けされる時代

株価だけでは測れない企業価値「CSR」とは?

2006.06.15 THU

ここ数年、CSRという言葉をよく見かけるようになった。コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティの略。「社会的責任を果たすための企業の活動」のことだ。

なぜ、CSRなる言葉が出てくるようになったのか。きっかけは2001年に起きたアメリカのエンロン事件だったらしい。高株価の優良企業だったエンロンだが、実際には不正な経理操作が行われていたことが発覚、アメリカ中が大騒ぎに。背景にあったのは、「会社は株主のもの」という考えに基づく過度の株価重視経営。これを反面教師として、株価だけでなく、「会社の社会的責任/貢献」という価値を基準としたCSR経営がトレンドとなっていった。

逆にいえば、CSRがちゃんとできている会社は、どこからも誰からも高い評価を得られる。CSRへの意識は、企業の信頼度や成長度にも関係してくることに多くの人が気づいた。そこで国や投資家もCSRに注目するようになった。ヨーロッパでは、国の産業政策としてCSRを推進。CSR担当大臣まで任命された。年金運用の投資先企業として、CSRが基準のひとつになる。こうした動きは投資家全体にも広がり、やがてSRIという言葉につながっていく。ソーシャル・レスポンシブル・インベストメント。社会的責任投資だ。そして日本にもようやくCSRの波が押し寄せる。

2003年は日本のCSR元年といわれる。CSRに熱心な企業を集めた投資信託などが相次いで発売。CSRに力を入れている会社は、社会からも投資家からも評価を得られ、資金調達も有利になる。そんな空気が広がっていった。大手ビールメーカーのように、取引先の選定基準としてCSRを取り入れる会社も出始めた。

日本でエンロン事件と比較されるもの、といえば、記憶に新しいライブドア事件だろう。2003年から広まり、今や数多くの企業が標榜するCSRの概念が定着しつつあるのは、もしかすると、あの事件がきっかけだったのかもしれない。

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