ホントにバブル期以上の実力に?

メガバンクの当期利益が過去最高になったカラクリとは?

2006.06.29 THU

あのトヨタ自動車に匹敵する当期利益を、三菱UFJフィナンシャル・グループが出したというニュースは、テレビや新聞で大きく取りあげられた。そもそも6大金融・銀行グループの2006年3月期決算は、当期利益で全グループが過去最高を記録、合計では前期比なんと約4倍の3兆1215億円だったのである。驚くべきことに、バブル期のピークである1989年の1兆6656億円をはるかに上回る利益規模なのだ。

でも、銀行って、ほんの数年前まで公的資金を入れなければならないほどに苦しみまくっていたはずでは? 収益率が海外の金融機関よりはるかに低いと指摘されていたのでは? なのになぜ、過去最高利益? と思ったのだが、報道のほとんどが「銀行は儲けすぎではないのか」のニュアンス。

ところが、調べてみると必ずしもそうとはいえないことがわかってきた。だいたいこれだけの利益が出ているのに、本業の儲けである業務純益は、6グループの銀行の合算で前期比約2%の減少なのである。いわゆる銀行業では、儲かっていないのだ。では、何がこれほどまでに利益を大きくしたのか。実は、意外なものだった。不良債権処理のために積み上げてきたお金が、戻ってきたというのである。

金融不安を払拭するため、政府が決めた取り決めが、融資が焦げ付く可能性がある場合には万が一の場合に備えてお金をプールしておくこと。「貸倒引当金」である。これを積んでおけば、融資先の倒産でも銀行経営には響かない。だが、融資先企業の再生が進み、危険度が低くなれば貸倒引当金はもう必要なくなる。するとプールされたお金は「戻し益」という利益になるのだ。

三菱UFJは約1兆2000億円の利益を出したが、実は貸倒引当金の「戻し益」が6089億円も占めていた。実に約半分である。実際、来期の当期利益は7500億円程度を予想しているという。利益に関する報道は、ちゃんと中身を見てみないと、という典型例かもしれない。

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