猛暑でも冷夏でも大丈夫

異常気象をリスクヘッジできる「天候デリバティブ」って何?

2006.07.13 THU

「今年の夏は猛暑? それとも冷夏?」。天候によって売り上げが大きく左右される業界では、こうした予測が社運を握る。例えば、猛暑なら家電業界はエアコンなどの売れ行きが伸び、逆にゴルフ場や屋外アミューズメントでは人出が減る。

そこで生まれたのが、異常気象のリスクヘッジを目的とした「天候デリバティブ」。損保各社が、気温、降水量、降雪量などに応じて契約企業に補償金を支払う金融商品だ。そもそもデリバティブとは、原料価格、金利・為替などの変動リスクを軽減させるための“金融派生商品”。企業は保険料に当たるオプション料を損保会社などに払う。保険と違うのは、あらかじめ決めた気象条件さえ満たせば、実害が発生しなくても補償金が支払われる点。

「90年代後半に橋本内閣が行った金融制度改革により、日本の損保でもデリバティブ商品の取扱いが可能になったんです。記録的な猛暑で10個もの台風が上陸した04年以降から、レジャー関連やアパレル、陸・海運業、建設業などを中心に天候デリバティブの売り上げが増えています」(東京海上日動火災 企業商品業務部・嶋田浩生氏)

また、こんなわかりやすい例もある。日本興亜損保では結婚式場を対象に、挙式の最盛期である6月

「降雨日数×30万円または50万円を支払う」という商品を販売中。式場は、この支払金を雨天時の特別サービスやイベントトラブルへの補填に利用しているという。

「04年の国内の天候デリバティブ市場は推定で400億円。日本では中小企業を中心とした小口契約がメインですが、その後も安定して成長を続けているはず。購入コストは一般的な自動車保険などの損害保険と比べて割高ですが、これはヘッジしようとする事象の発生確率が高いせい」(住友商事 コモディティビジネス部・矢野崇浩氏)

気象庁の予測によれば、今夏の気温は

“平年並み”。果たして当たるのか? 損保会社ならずとも注目したい。

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